創業の経緯と、この会社で実現したいこと。
キャリアの最初はセキュリティ企業でした。インシデント対応の現場に立つ中で、繰り返し目にしたのは、「技術的には正しい対応ができているのに、組織としての判断が追いつかない」というケースでした。
ログを分析し、侵入経路を特定し、封じ込めを行う。技術的な手順は明確です。しかし、「いつ経営陣に報告するか」「顧客への通知は必要か」「サービスを止めるか止めないか」——こうした判断は、技術の外にあります。そして多くの場合、この判断こそが被害の大きさを左右していました。
技術そのものではなく、技術を使った判断を支えることが、本当に求められている支援なのではないか。この問いが、後にopen brainを立ち上げる原点になりました。
その後、暗号資産取引所のセキュリティ部門に移りました。ブロックチェーンの技術そのものは透明性が高い。しかし、それを悪用する犯罪は増え続けており、被害者が適切な支援にアクセスできないケースが多いことに衝撃を受けました。
「ブロックチェーンだから追えない」——多くの経営者がこう思い込んでいました。実際には、オンチェーンにデータは残っている。正しい手順で追跡すれば、資金の回収も可能です。問題は技術の有無ではなく、正しい判断ができる専門家にアクセスできるかどうかでした。
open brainを立ち上げるとき、「フォレンジック専門企業」にするか「開発支援企業」にするか、迷いはありませんでした。両方やる。なぜなら、有事(インシデント対応)と平時(開発・技術戦略)の課題は、根が同じだからです。
「技術的な意思決定者がいない」「何から手を付ければいいか分からない」「判断に必要な情報が整理されていない」——インシデント対応の現場でも、AI導入やCTO代行の現場でも、聞こえてくる声は同じでした。
open brainはまだ小さな会社です。しかし、小さいからこそできることがあると思っています。クライアントの課題に深く入り込み、案件ごとに最適なチームを組成し、「自走できるゴール」まで伴走する。大きな組織では難しい、この密度の支援を続けていきたい。
そして将来的には、「セキュリティインシデントが起きたとき、最初に相談できる場所」「技術的な意思決定で迷ったとき、信頼できるパートナー」として、より多くの組織に認知される存在になりたいと考えています。